腰痛について③

未分類

前々回と前回に引き続き書いていきたいと思います!

前回は問診について書いてきました!

次は腰椎の機能解剖についてです!

前々回と前回の記事も貼っておきますので

よかったら読んでください!

腰痛について①

腰痛について②

腰椎の構造と機能

脊柱の関節といえば

椎体がたくさんあって間に椎間板を介した関節構造になっていると思います!

これは学生時代にも良く解剖学の講義などで言われるので誰でも知っていると思います!

あとは

もうひとつ重要な関節として

椎間関節があります!

ここは非常に重要な関節です!

この関節は頸椎、胸椎、腰椎で関節面の角度が違うのが特徴です!

頸椎と胸椎に関してはまた別の記事で書いていければと思います!

まずは腰椎についてです!

腰椎の関節面はほぼ矢状面に平行です!

つまり体幹、腰椎の屈曲・伸展方向の運動は

関節面が滑ることで関節運動が行われます!

逆に

回旋と側屈は制限される構造になっています!

つまり

腰はほぼ回らないということになります!

たまーに

腰椎の回旋が~~

とかいう人がいますが

ちょっと間違いです!

体幹の回旋と言ったほうが正解かなと思います!

腰椎の回旋角度は5度程度と言われています!

そもそも腰椎は第1腰椎~第5腰椎しかないので

一関節あたり1度ということになりますが

解剖学の本も見てもらったらわかる通り

腸腰靭帯によって

第4、5腰椎は骨盤に強く連結されているので

ほぼほぼ可動性がありません!

ですので一番動くのは第3腰椎と言われています!

あと腰椎は前弯しており、傾斜角の特徴上

前方に滑りやすいです

特に下位腰椎は滑りやすいと言われていて

腰椎すべり症の好発部位になります!

屈曲時に制動の役割を持つ組織を書くと

  • 椎間関節包
  • 後縦靭帯
  • 黄色靭帯
  • 棘間靭帯
  • 棘上靭帯
  • 脊柱起立筋等の緊張

伸展時は

  • 前縦靭帯
  • 下関節突起下端部と椎弓の接触
  • 棘突起間の接触

側屈時は

  • 屈曲及び伸展と同じ対象組織

体幹筋群の機能解剖

腰椎の前屈に作用する筋は

  • 腹直筋
  • 外腹斜筋
  • 内腹斜筋

腰椎の後屈に作用する筋は

  • 脊柱起立筋
  • 短背筋群

になるかなと思います!

各筋の起始、停止、神経、作用を表で載せておきます!

筋名起始停止支配神経作用
腹直筋第5~第7
肋軟骨
剣状突起
恥骨結合
恥骨結節
肋間神経
(T6~T12)
胸郭前壁を
引き下げる
骨盤前部を
引き上げる
体幹を前屈
させる
筋名起始停止支配神経作用
内腹斜筋横走線維鼠径靭帯
腸骨稜
腹直筋鞘肋間神経
腰神経
腸骨下腹神経
腸骨鼠径神経
仙腸関節に
せん断しよ
うとする働
きが生じる
場合それを
防ぐ作用に
関与する
内腹斜筋斜走線維上前腸骨棘
腸骨稜
腹直筋鞘肋間神経
腰神経
腸骨下腹神経
腸骨鼠径神経
両側の筋活
動によって
体幹を前屈
させる
片側の活動
によって体
幹同側回旋
が生じる
内腹斜筋
横走上部線維
胸腰筋膜第10~第12 肋骨の下縁肋間神経
腰神経
腸骨下腹神経
腸骨鼠径神経
体幹の運動
への直接的
な作用はな
く胸郭の安定に関わる
筋名起始停止支配神経作用
外腹斜筋
斜走線維
第5~第7肋骨外側白線
恥骨結合前面
鼠径靭帯
肋間神経片方の筋活
動によって
同側方への
側屈、反対
側への体幹
の回旋が生
じる
両側の筋活
動によって
体幹屈曲の作用がある
外腹斜筋縦走線維下位肋骨腸骨稜肋間神経体幹側屈
筋名起始停止支配神経作用
胸腸肋筋第7~第12肋骨上縁第1~第7
肋骨の肋骨角
脊髄神経
後枝外側枝
頸部と体幹
の伸展
片側の活動
により頸部
と体幹の同側方への側屈
腰腸肋筋胸腰筋膜
内面
腸骨稜
下位腰椎
の棘突起
正中仙骨稜
第4~第11
肋骨の肋骨角
第12肋骨下縁頭棘筋
頭半棘筋の内側縁
脊髄神経
後枝外側枝
頸部と体幹
の伸展
片側の活動
により頸部
と体幹の同
側方への側屈
筋名起始停止支配神経作用
胸最長筋第1~第6胸椎の横突起第2~第5
頸椎の横
突起
脊髄神経後枝外側枝頸部と体幹
の伸展
片側の活動
により頸部
と体幹の同
側方への側屈
腰最長筋胸腰筋膜
腸骨稜
下位胸椎の棘突起と横突起
正中仙骨稜
全胸椎の横突起と上位腰椎の副突起
肋骨角と腰椎の肋骨突起
脊髄神経後枝外側枝頸部と体幹
の伸展
片側の活動
により頸部と体幹の同側方への側屈
筋名起始停止支配神経作用
多裂筋第4~第7
頸椎の下
関節突起
全胸椎の
横突起
全腰椎の
乳様突起と副突起
仙骨の後面
軸椎以下の全椎骨の棘突起脊髄神経後枝内側枝頸部と体幹
の伸展
片側の活動
により頸部
と体幹の反対側方に回旋

全て重要な筋ではありますが

この中でも僕が本当に重要だなと思うのが

内腹斜筋横走線維多裂筋です!

内腹斜筋横線維の重要性

内腹斜筋横走線維は腸骨稜や鼡径靭帯から腹直筋鞘に向かって

ほぼ横向きに走る線維です

この筋肉が収縮する事で

骨盤仙腸関節にかかる剪断力(負荷)を軽減させてくれます

例えるならばベルトのような筋肉です!

特に仙腸関節は関節面が縦になっているので

歩行時、片脚立ちの時や重心が移動するときなどに

剪断力をもろに受けます!

中殿筋訓練をどれだけやっても片脚立位やトレンデレンブルグが中々改善しない方がいますよね?

そういう方はそもそも内腹斜筋などの筋出力が弱くて

体幹から骨盤帯が安定していないパターンも

多いのではないかと思います!

だから僕も中殿筋とかを鍛えるとしたら内腹斜筋横走線維は

セットで考えて鍛えるようにしています!

多裂筋の重要性

多裂筋は腰痛と非常に関連があると言われている筋肉です!

特に腰部の部分では筋肉のボリュームも大きくなり

腰椎に付着する線維は一本一本が仙腸関節に沿って付着しています

つまり

腰痛と仙腸関節性疼痛は関連している!

という事になります

この線維は腰椎が前弯した状態で非常に良く働く為

高齢者の方々に良く見られる腰椎後弯骨盤後傾姿勢

では非常に働きにくくなります!

これが

姿勢が関連している腰痛パターンの

一つの原因になってくると思います

あともう一つ多裂筋に重要なのが

下関節突起、つまり椎間関節に付着する多裂筋の線維です!

椎間関節は滑膜性関節なので関節包があります!

そこに多裂筋が付着して多裂筋が収縮するとき

つまり脊椎の伸展時に関節包を引っ張ってくれて

関節包の挟み込み(インピンジメント)を予防してくれます!

逆に挟み込まれたときは

椎間関節性疼痛を引き起こすことになってきます

椎間関節性疼痛と多裂筋が非常に深い関連がある!

ということです!

まとめ

体幹にはたくさんの筋肉があります

その中でも僕が非常に重要視しているのは

内腹斜筋多裂筋です

もちろん他にもたくさん筋肉があるので

しっかりと病態をみながら治療していく

必要はあります!

ただ臨床でずっと治療していて思うのが

高齢者になればなるほど

この二つはかなりポイントになるかなと思います。

ぜひ目を向けてみてください!

コメント

タイトルとURLをコピーしました