こんにちわ!アオです!
前回の記事では筋攣縮(スパズム)について書きました!
今回は筋短縮についてです!
筋短縮も臨床上非常に多くみられるものです!
そして筋スパズムとの鑑別が必要になります!
筋短縮とスパズムをしっかり見極めてそれぞれに合った治療をしていくことが大切です!
筋短縮の生理的機序
筋短縮とは
筋の伸張性が欠如した状態のことをいいます
これは
- 筋実質部の伸展性低下
- 筋膜の線維化
によって生じます
筋実質部の伸展性の低下
これは筋線維を構成する基本単位である筋節が減少することで生じるものです
言葉そのままですね!
筋肉というのは基本的に伸ばすと
太いフィラメントに対して隣り合う細いフィラメントが引き離され、筋節間が延長します
そのため、長軸上に連なる筋節の数が多くなるほど、筋線維の伸展性は増加することになります
逆に
筋節の数が少なくなると筋の伸展性は低下するということです!
筋膜の線維化
これは関節の不動や運動不足によって起こります!
つまり
関節の不動や運動不足によって
筋膜や筋内膜のコラーゲン分子の末端に架橋結合(クロスリンキング)が形成されて、コラーゲン含有量の増加とともに、組織自体が固くなってしまうということです!
分子間架橋と言ったりします
これが線維化というもので
コラーゲン分子が架橋結合によって筋膜の伸展性が低下してしまい、結果的に筋の伸展性が低下してしまうということになります!
筋短縮の評価
圧縮所見の有無
筋スパズムに関しては圧痛が特徴の1つでしたが
短縮した筋は、組織変性がより進んだ状態であり、いわゆる伸びにくくなってはいるが組織としては安定した状態のため、圧迫に対する閾値が高く圧痛は認めにくいです!
伸張と弛緩位の緊張程度
筋スパズムは、脊髄反射により持続的な痙攣が生じた状態だったので関節の肢位に関わらず、筋の緊張は持続的に高い状態でした
つまり筋を短縮位としても触診上の緊張が高くて痛みがあるし
逆に筋を伸張位へと強要すると、緊張はさらに増強し疼痛が強くなります
筋の短縮は、筋の伸張性が欠如した状態であるため、伸張位にすると引き伸ばされ、触診上の緊張は高くなります
この時に突っ張るような感覚があり、それが伸張痛ということになります
逆に、短縮位にすると筋は弛緩するため、触診上の緊張も低くなりますし伸張痛が出ることもありません
筋力低下と等尺性収縮時痛の有無
筋攣縮では
筋実質部に萎縮を認めないものの、筋肉の生理的な機能障害によってうまく筋力が発揮できず、 結果的に筋力低下を認めます!
また、血管のスパズムも同時に伴っているため静脈還流が悪くなり、その結果筋内圧は上昇します!
そのため
攣縮した筋に強い等尺性収縮を強要すると筋内圧はさらに上昇し、疼痛が出現しやすくなります
筋短縮では、基本的には
著明な筋力低下を認めませんし筋内圧も上昇していません
そのため強い等尺性収縮を行って
筋内圧の上昇には影響しないため、疼痛が出現することはありません
高齢者は体が固くなってきますが日常生活を送るだけの筋肉があって痛みもなく生活をされている人はたくさんいますよね
もし短縮すると筋力が低下して痛みを伴うのなら
体が固い人は非力で痛みだらけになってしまいます
筋短縮の治療
短縮している筋肉には
筋節の減少とクロスリンキングが生じているため
ざっくり言うと
- 筋節を増やすこと
- クロスリンキングをちぎること
をしなければなりません!
アプローチとしては
- ストレッチング
- 反復性等尺性収縮
を使っていきます
ストレッチングもただ起始と停止引き離すだけではなく
筋肉を持ち上げたりして直接伸ばすことが重要です!
こうすることで
筋腱移行部への伸張刺激が、フィラメントの再合成を促進すると言われています
また
筋を適度に伸張させた肢位で等尺性収縮を行うと
筋腱移行部への有効な伸張刺激を加えることが可能です
持続伸張していくと
筋膜の柔軟性も高くなっていくので
2つを上手く併用していくと効果的だと思います
しかし等尺性収縮に関してはあたり強い抵抗をかけすぎると目的以外の筋にも力が入りすぎてしまうため注意が必要です
また伸張痛などの疼痛を誘発しないようにしながら行いましょう
まとめ
筋短縮の痛みは伸張痛が主体です
筋スパズムに関しては圧痛、伸張痛、収縮時痛、関節運動時痛において痛みを伴います!
しっかり評価した上で適切な治療を行っていくことが重要です
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